日本初の取り組み「ベトナム語南部弁検定」策定に向けて活動開始
ベトナム大好きコラム #30
近年増えるベトナム語学習者の中でも注目されるのが南部弁。実用性が高く、多くの人々と交流できるこの方言を測る「ベトナム語南部弁検定」策定が始動しました。
近年増加するベトナム語学習者
近年、日本におけるベトナム語学習者の数は急速に増加しています。その背景には、日越間の経済的な結びつきの強化、さらには人的交流の拡大があります。日本国内の大学や専門学校ではベトナム語を学ぶ講座が開設され、語学センターや民間スクールでも受講者が右肩上がりに増えています。また、技能実習生や留学生として来日するベトナム人の数が増えたことにより、日常生活や職場で「ベトナム語を話せると便利だ」と感じる日本人が多くなったことも一因です。
これまで「学ぶ言語」といえば英語や中国語、韓国語が主流でしたが、いまやベトナム語は「実用的な第3言語」として存在感を強めています。特にホーチミンシティを中心とする南部地域は日本企業の進出も活発であり、現地で活動する日本人にとって南部弁を理解することは、円滑なコミュニケーションに直結する重要なスキルになりつつあります。
人口の70%が暮らす中南部と方言の特徴
ベトナムの国土は南北に長く、その中でも国民のおよそ70パーセントが暮らしているのが中南部地域です。ハノイを中心とする北部に比べて、中南部は人口規模も経済活動も大きく、ベトナム社会の中心的な役割を担っています。そして言語面に目を向けると、中南部に分布する方言には互いに多くの類似点があり、特にホーチミンを中心とした南部弁は中部の一部とも通じ合う発音や表現を持っています。
これにより、南部弁を学ぶことは南部だけでなく、中部を含む広い地域でのコミュニケーションにも役立ちます。加えて、南部弁はイントネーションが柔らかく、生活に根ざした表現が豊富であるため、外国人学習者にとっても親しみやすい方言といえるでしょう。つまり、南部弁を学ぶことは単なる言語習得にとどまらず、ベトナム国民の大多数と接するための実践的な手段となるのです。
南部弁検定策定に向けた取り組み
こうした背景を受けて、私たちの「ユーホック」語学センターでは「ベトナム語南部弁検定」の策定に向けて企画と活動を本格的に開始しました。まずは基礎的な会話力を測定する6級を設け、南部弁のリスニングや発音、日常会話表現を中心に試験内容を構築していきます。AIを使用すれば、容易に理解することができる「読み書き」には、 重点を置きません。また、既存のベトナム語検定は標準語である北部発音に偏っているため、現地での実用性を考えると南部弁に特化した検定の意義は大きいと考えています。今後は学習教材や模擬試験を公開し、受験者が体系的に準備できる環境を整える予定です。
さらに将来的な展望として、ホーチミン市人文社会科学大学との連携を視野に入れています。大学の研究資源や現地ネットワークを活かすことで、より信頼性の高い試験運営と広い普及を実現できるでしょう。「ベトナム語南部弁を理解できる」ことは、単に言語の壁を越えるだけでなく、ホーチミンシティ社会そのものへの理解を深める第一歩です。私たちはこの検定を通じて、学習者がベトナム南部の文化をより身近に感じ、国際交流をさらに豊かなものにしていけるよう取り組んでまいります。

