南部ベトナム語の語学力を証明する上で、最も権威と歴史がある試験の一つが「ホーチミン市人文社会科学大学(以下、人文大学)」が主催するベトナム語能力試験です。
今回は、2026年5月に受験してきた最新の体験談をどこよりも詳しくお届けします。申し込みのコツから、当日の分刻みのスケジュール、そして実際に現場で直面した「盲点」や「裏技」までを網羅しました。これから受験を控えている方、必見の完全保存版です!
申し込み手続きと合格率を跳ね上げる過去問の存在
試験への第一歩は、約1ヶ月前となる2026年4月16日の申し込みの手続きから始まりました。申し込み場所は、人文大学の敷地内にある「C棟1階」のベトナム語センターの事務所です。学食の近くにあり、比較的にわかりやすい場所にあります。

手続きに必要な書類や費用は以下の通りでした。
▪️パスポート
▪️証明写真 2枚(3×4cm以上の大きさ)
▪️受験料:3,000,000ドン
ここで大きなメリットとなるのが、人文大学の在学生への優遇措置です。人文大学の学生であれば、学生証を提示することで受験料が30%の割引になります。また、ベトナム語センターの受講者も一定の基準を満たせば、割引の対象になります。

こう見えて、私は同大学のベトナム学部の4年生です。
そして、オフィスでの申し込み時に絶対に忘れてはならないのが「過去問の購入」です。実は、人文大学主催のベトナム語能力試験は、全体の50%〜70%が過去問から類似の形で出題されるという傾向があります。この過去問を事前にどれだけ解き込み、出題パターンに慣れておくかが合格・高スコア獲得への最大の近道となります。申し込みのついでに必ず手に入れておきましょう。
試験3日前、受験票の受け取りと当日のアナウンス
申し込みを済ませて一安心するのも束の間、試験の3日前(おそらく前日でもOK)には再び「C棟1階」のベトナム語センターオフィスへ受験票を受け取りに行く必要があります。ベトナムの試験運営は直前に情報が確定することが多いため、このタイミングでの確認が非常に重要となります。
オフィスでは受験票が交付されるとともに、試験当日の具体的な集合時間や集合場所、各種注意事項についてのアナウンスを受けます。
ここで案内される内容は、当日の試験をスムーズに進めるための生命線です。特にベトナム語での説明になる場合もあるため、聞き逃さないよう集中して確認しましょう。受験票に記載されている氏名のスペルや情報に間違いがないかも、その場で必ずチェックしてください。ここで受けた説明をベースに、当日の過酷な戦いへのシミュレーションを始めることになります。
朝7時の厳格なセキュリティチェックと過酷なトイレ・低血糖対策
運命の試験当日。集合時間は朝7時、集合場所はD101教室でした。私は少しギリギリの時間に到着してしまったのですが、受付のスタッフからかなり急かされることになりました。当日は余裕を持って行動することを強くおすすめします。

服装に制限ありませんが、対面試験があるため私はマナーとして長ズボンを着用しました。
当日の持ち物は、以下の通りでした。
▪️パスポート
▪️受験票
集合場所に到着して、上記2点を提示すると、すぐに厳格なセキュリティチェックが始まります。ここで持ってきた荷物は全て鍵付きのロッカーに預けるルールとなっています。スマートフォンやスマートウォッチといった電子機器はもちろんのこと、自分の時計や筆記用具に至るまで、一切の持ち込みが禁止されています。身一つで戦いに挑む形になります。
荷物を預けた後、実際の試験会場であるB203教室へ移動します。入室時に金属探知機でチェックされますので、電子機器類は一切持ち込めません。ここは一人ひとりの席に仕切りが設けられた、ブース型のコンピュータールームです。7時20分頃から、パソコンのカメラを使用した本人確認用の写真撮影と、ヘッドフォンの音声チェックが順次行われます。
この機材チェックが終わると、試験開始まで15分ほどの待機時間が発生します。実はここが最大のポイントです。 この待機中のタイミングであれば、試験前にトイレに行くことが許されています。ここを逃すと、ここから約120分間は一切トイレに行けないという超過酷な時間が始まります。
しかも、まだ試験は始まっていませんが、教室内で「最大2名ずつ」が順番に案内されるシステムになっています。できる限りこの15分の待機時間にトイレを済ませておきましょう。行く場合は早めに手を挙げるのが鉄則です。
コンピュータールームでの息詰まる3セクション連続試験
静寂と緊張感が包む中、いよいよパソコン画面に向かっての筆記試験がスタートします。タイムスケジュールは以下の通り、1分の猶予もない連続闘争です。
▪️07:45〜:リスニング試験開始(50分間)
▪️08:45〜:リーディング試験開始(60分間)
リスニングとリーディングの2つのセクションに関しては、試験の途中で終わったからといって途中退出することは一切認められていません。 パソコンの前でじっと制限時間を戦い抜く必要があります。万が一、途中で退出してしまった場合は「スコアなし(失格)」という最悪の結果になってしまうため、どれだけ早く解き終わっても画面の前で待機してください。
この2セクションが終了した時点で、時刻は午前10時前。ようやく希望者のみトイレに行く時間が与えられますが、ここで私は身体の異変に気づきました。朝から張り詰めた空気の中で頭をフル回転させていたため、完全に糖質不足に陥り、頭が回らなくなっていたのです。試験会場には飲食物の持ち込みができませんが、ポケットに「飴」をいくつか忍ばせて持参すればよかったと、心の底から激しく後悔しました。特に低血糖症の傾向がある方や、長時間の集中でエネルギー切れを起こしやすい方は、事前にブドウ糖を摂取しておくなど、事前の工夫が必須かもしれません。
▪️10:00〜:ライティング試験開始(60分間)
最後の筆記セクションであるライティングは、60分間の試験時間が設けられています。ただし、このライティング試験に限っては、開始30分から55分の間であれば、早く書き終わった人から途中で退出することが認められています。
ライティングを気力で終え、試験室を一歩出たところで、やっと待ちに待った飲食が認められます。次のハードな口頭試験に備えて、ここでゼリー飲料や軽食を口にし、しっかりとエネルギーをチャージしましょう。
※なお、具体的な試験問題の傾向や対策内容については、私のYouTubeチャンネルで詳しく解説動画をアップする予定ですので、ぜひチャンネル登録をしてお待ちください!

スピーキング試験の洗礼と待ち時間をハックする「前日裏技」
筆記試験の興奮が冷めやらぬ中、11時30分からは場所を「C棟4階」へと移し、最終関門であるスピーキング試験(口頭テスト)が始まります。
このスピーキング試験は、受験生にとってある種の「運試し」の側面が非常に強いセクションです。なぜなら、「自分が何番目に呼ばれるかの順番」そして「試験官のベトナム語の方言(北部弁・南部弁など)」が、完全に運次第で決まるからです。試験自体は一人あたり20分程度で進行していきますが、後半の順番になってしまうと、自分の番が回ってくるまでに想像を絶する長さの待ち時間が発生します。張り詰めた緊張感を維持したまま待ち続けるのは、精神的にもかなりの体力を削られます。
ここで、これから受験される皆さんにとっておきの裏技をお教えします。 実はこのスピーキング試験の教室と順番は、「試験前日の夕方」に指定の教室前に行くと、ドアの前に張り紙がしてるので、事前に把握することができるようになっています。前日に自分の順番を知っておくだけで、当日の待ち時間に合わせた心の準備や、直前のエネルギー補給のタイミングを完璧にコントロールできるようになります。チャンスがある方はぜひ前日に下見へ行ってみてください。
私の場合、最終的に12時40分にスピーキング試験が開始となり、12時50分にすべての試験が終了しました。なお、試験官にもよりますが、試験会場にパスポートと受験票の一切の荷物は持ち込めません。一人で受験される方は、試験会場の外に荷物を放置することになりますので、貴重品の取り扱いには注意しましょう。ロッカーはありません!盗難の確率はかなり低いとは思いますが、念のため荷物は最低限にしておきましょう。
まとめ:朝7時からのおよそ6時間の死闘を終えて
朝の7時に集合してから、すべての試験を終えて解放されるまで、実に6時間近くにわたり神経を研ぎ澄ます時間が続きました。パソコン操作の手順、厳重なセキュリティ、そして長時間の軟禁状態など、純粋なベトナム語の学力だけでなく、精神力と体力が激しく試される本当に過酷な試験だったと感じています。
現在の私の全力を尽くしてきた結果については、公式の発表があり次第、追ってブログやSNSでお知らせいたします。
一筋縄ではいかない人文大学のベトナム語能力試験ですが、しっかりと準備をして臨めば必ず道は開けます。この記事が、これからホーチミンでベトナム語の壁に挑む受験生の皆さんの参考になれば幸いです。皆さんの健闘を心からお祈りしています。Chúc các bạn thi tốt!



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