ベトナム大好きコラム #12「2025年7月、ベトナムコーヒーの値上げがエグい」
衝撃的な値上げ、Passioでも
2025年7月に入り、ベトナムのカフェ店でのコーヒー価格が一斉に値上げされました。私を含め、多くの常連客が驚きを隠せない状況です。特に、ローカルにも観光客にも人気の格安カフェチェーン「Passio(パッシオ)」では、定番のCà phê sửa đá(練乳入りアイスコーヒー)が以前の29,000ドンから35,000ドン前後に値上がりしました。わずか6,000ドン、日本円にしておよそ33円と思うかもしれませんが、日常的に通う人にとってはインパクトが大きい上昇です。また、2025年1月までは25,000ドンでしたので、今年に入ってから10,000ドン、40%の上昇です。
メニュー名 | ベトナムドン(日本円=180ドン換算) | ||
2025年1月まで | 2025年6月まで | 2025年7月まで | |
アイスブラックコーヒー(Sサイズ) | 25,000ドン(約138円) | 29,000ドン(約161円) | 29,000ドン(約161円) |
アイス練乳入りコーヒー(Sサイズ) | 25,000ドン(約138円) | 29,000ドン(約161円) | 35,000ドン(約194円) |
値上げの背景にある事情
この値上げの背景には、コーヒー豆の国際価格の高騰や、人件費・家賃の上昇といった複合的な要因があります。ベトナムは世界有数のコーヒー豆の生産国ですが、輸出優先の影響もあり、国内供給が不安定になりつつあるのが現状と言われています。さらに、大都市ではデリバリー需要の増加や、インフレの影響も無視できません。Passioを含むカフェチェーンは、品質とサービスを維持するためにも価格調整を余儀なくされているようです。
それでも通いたくなる魅力
それでも尚、朝食後のCà phê sửa đáは、ベトナムの日常に欠かせない存在です。たとえ少し高くなっても、あの独特な苦みと濃厚な甘さのバランスを求めて、多くの人が足を運び続けています。「エグい値上げだなぁ〜」とつぶやきながら、以前よりゆっくり味わうようになった、そんな声も街角のカフェでちらほら聞こえてきます。日本の「令和の米騒動」のような「南北統一50周年のコーヒー騒動」が今、ベトナムで静かに広まりつつあります。