ベトナム大好きコラム #9 「ホーチミン市はゲイに寛大?!同性婚をめぐる今」
「ベトナム」と聞いて、みなさんはどんなイメージが思い浮かびますか?美しいアオザイ、おいしいフォー、バイクが行き交うにぎやかな街並み…。では、「LGBT」という視点ではどうでしょうか?ベトナム最大の経済都市であるホーチミン市では、ここ数年で性的マイノリティーへの理解と受け入れが、静かに、しかし確実に進んできています。
現在私は、ホーチミン市内の国家大学に通う3年生です。そのため、日常的にベトナムの大学生たちと交流する機会が多くあります。彼らの特徴の一つは、男女間の垣根が非常に低いことです。性別に関係なく、共通の興味や価値観を持つ学生同士が輪になって、床に座って談笑している光景をよく見かけます。また、いわゆる「おねえ」のようなしぐさをする学生も珍しくなく、周囲もそれを自然に受け入れているように感じられます。
一方で、大学の社会学の授業などでは「LGBTについてどう思うか?」「同性婚に賛成か?」といったテーマで積極的な議論が交わされることもあります。実際、多くの学生たちは性的マイノリティーを受け入れ、同性婚にも賛成の立場を示していました。もちろん、「税金の無駄遣いだ」とか「制度を作っても意味がない」という否定的な意見も聞かれましたが、こうした多様な意見が交わされること自体、とても健全なことだと思いました。
私は近い将来、ベトナムでも同性婚に関する議論がさらに活発になるのではないかと予想しています。特にホーチミン市に住む人たちは、他人の個性を受け入れる寛容さを持ち合わせていると感じます。その証拠に、市内では手をつないで歩いたり、密着しながらバイクの二人乗りをする同性カップルの姿を見かけることがあります。それに対して、驚いたり冷やかしたりする人はほとんどいません。
すべての人を尊重し合える社会の実現へ——。ベトナムの未来は、私たち日本人が思っている以上に、ずっと近代的で希望に満ちているのかもしれません。