ベトナム大好きコラム #6 「ベトナムのゲイ映画 “ソンランの響き”の斜め45度」
この映画の舞台は、1980年代のホーチミン市。借金取りの男Dũng(Isaac・アイザック)と、伝統劇の俳優Linh Phụng(Liên Bỉnh Phát・リンビンファット)が偶然出会い、少しずつ心を通わせていきます。
この作品は、一般的に「ゲイ映画」として紹介されることが多いですが、劇中に明確な恋愛描写はありません。むしろ、登場人物同士の間に生まれる淡い恋心や、憧れにも似た感情が繊細に描かれており、静かな余韻が心に残るヒューマンドラマとして楽しむことができます。
また、この物語を斜め45度から考察すると、ベトナム南部の伝統芸能である「Cải lương(漢字:改良)」が描かれており、Cải lươngを知るうえでもとても貴重な作品といえます。さらに、登場人物たちの会話は南部方言で進むため、ベトナム語を学んでいる方にとっては、南部弁のリスニング教材としても最適です。映画の公式YouTubeチャンネルで、劇中歌を鑑賞することができますので、興味のある方はご視聴ください。